景雲昭は確信していた。自分の持っている処方箋を使わなければ、神様が来ても、この少年は救えないだろうと。そのため、深く考えずに言った。「家の台所を借りたいのですが、それと、私が薬を煎じている間は、皆さんには席を外していただきたいのです。」
薬箱には日常的に使う薬も入っていたが、多くはなく、空間から取り出す必要があった。
老若二人は急いで頷き、非常に協力的だった。
景雲昭は気楽に、決められた量と順序で附子、乾姜、炙甘草、高麗人参、山茱萸の実、生龍牡粉、活磁石粉、麝香を薬鍋に入れ、弱火で煎じ始めた。
通常、附子の使用量は約十グラム程度だが、景雲昭のこの処方では百グラム以上を使用した。ただし、この処方に含まれる炙甘草には附子の毒を解する効果があり、薬効のバランスを取っていた。
外では老若二人の女性が焦りながら待っていた。
景雲昭は自ら薬を煎じ終え、やっと患者に服用させた。
数時間後、この薬を飲んだ少年はようやく意識を取り戻し、景雲昭もほっと胸をなでおろした。
「神医様!景先生、ありがとうございます!徐お爺さまの仰る通りでした!」老婦人は危うく跪こうとしたが、景雲昭は体を横に傾け、さっと手を添えて支え、寿命を縮めることを避けた。
景雲昭には今日まだ四人の患者を診る予定があった。今一人目が目覚めたことは、まさに門出の祝いといえた。特にこの少年の病状は比較的重症だったが、今この毒をもって毒を制する薬を飲んだ後は、おそらく問題は起きないだろう。
「滋養強壮の処方箋を置いておきますので、定期的に調理してください。他の患者を診なければならないので、これで失礼します。」景雲昭は足を上げて出ようとした。
「お待ちください!」老婦人が突然声を上げた。景雲昭は何か問題があったのかと思ったが、振り返ると、油紙包みが差し出されていた。「景先生、診療費をお忘れですよ!?」
診療費?
景雲昭は少し困惑した。以前は主に甘祖父と一緒に往診していたため、甘先生の診療費は既に受け取っていたので、この件をすっかり忘れていたのだ!
しかし目の前のこの金額は...少し多すぎるのではないか?
彼女の知る限り、甘祖父は名声があるため、往診料も高めで、数百元ほどだった。処方箋を書いた場合は別料金で、薬代も別払いだが、病気が治ろうが治るまいが、往診料は欠かせなかった。