第322章 永久に後患を絶つ

花泥棒のような人間は、関公を崇拝し、拳を信じている。

景雲昭の拳は強大で、しかもその強さは人々が超えられないほどのものだった。花泥棒は当然、彼女をもはや小娘や妹のように見ることはできず、特に景雲昭の神のような武術の腕前に、花泥棒は跪いて師匠にしたいほど羨ましく思った。

景雲昭を見る目つきは少し狂気じみていた。

「景お嬢様……」事が済んだ後、花泥棒は近くのバーで酒を振る舞い、口を開いた時には少し居心地が悪そうだった。通常なら、景雲昭のような実力者なら姉貴分と呼ぶのが相応しいのだが、彼女は若すぎるため、それも適切ではないと思い、考えた末に言い直した。「景お姉様……」

景雲昭は飲んでいた水を吹き出しそうになった。

「直接、景雲昭か雲昭と呼んでくれればいいわ」景雲昭は先ほどの衝撃的な呼び方を受け入れられなかった。

花泥棒は笑みを浮かべた。「雲昭……あなたの武術は素晴らしい。私に教えてくれないか？お金は払えるぞ」

「いいわよ。お金も要らないわ。でも条件が一つあるの」景雲昭はあっさりと承諾し、花泥棒はそんな即答を予想していなかったため、一瞬反応できなかった。

「言ってくれ」花泥棒は今や以前のような怠惰な態度は消え、人柄まで少し変わったようだった。

以前は彼はただの小物だったが、今は違う。華寧県では、彼のような勢力も名の通った存在となっていた。

「できるだけ早くあなたの勢力を拡大して。私が手伝うわ。やるべき戦いはやって、あなたには名実ともにボスになってほしいの」景雲昭は真剣な表情で言った。

花泥棒は口角を引きつらせた。これは彼に得をさせようとしているのか？

「お前に何の得があるんだ？」花泥棒はまだ冷静さを保っていた。

誰も理由もなくこんな大きな話を持ちかけてくるはずがない。きっと何か要求があるはずだ。

「これからは華寧県のチンピラたちが私を見たら逃げ出すようになってほしいの。私が守りたい人や事業に対して、あなたの配下の者たちが手を出さないようにしてほしいの」景雲昭は言った。

彼女の今の行動は、実は将来のトラブルを避けるためでもあった。

「ヤクザ」の存在にはそれなりの力があり、時には警察でさえ考慮しなければならないこともある。また、警察にはできないことでも、ヤクザならできることがある。