第353章 善意の裏側

孫顏が話したのは、やはり景雲昭のための資金集めのことだった。

実は彼女も最初は偶然に景雲昭という人物のことを聞いただけで、それも紀姍姍がきっかけだった。

当時、紀姍姍はネット上の出来事に感化され、紀家の両親にせがんで薬材を寄付させ、その後も崔均を探し出して、景雲昭がどれほど可哀想かを崔均に繰り返し語っていた。崔均は煩わしく思い、自然と彼女の耳にも入ってきた。

彼女は最初、無関係な人のことだからと気にも留めていなかったが、ちょうどその頃、学校の掲示板で注目の人物投票があり、選ばれた人は金銭的な報酬はないものの、高級な場所での遊覧に招待されることになっていた。

それは学校の行事ではなく、数人の金持ちの子供たちが企画したものだった。彼女は崔家で衣食に困ることはなかったが、特別裕福というわけでもなく、崔家は裕福とはいえ、商人たちの財力には及ばなかった。そのため、上流社会に触れて、そういった人々の生活がどのようなものか見てみたいと思った。