第405章 この病気は治療が必要！

蕭海清は大声で怒鳴り、紀姍姍の耳が「ゴーン」と鳴り響き、その迫力に一瞬ひるんでしまった。

蕭海清が軽く咳払いをして、携帯電話を奪い取るや否や、紀姍姍の口調を真似て「もしもし」と応答した。

「姍姍、今どこにいるんだ？」電話の向こうで、崔均が直接尋ねた。

蕭海清は口を歪めた。こんなにも明らかに紀姍姍の声ではないのに聞き分けられないなんて、彼の心の中で紀姍姍の存在が全くないことは明白だ。彼にとって、恐らく紀姍姍が突然口が利けなくなったとしても、それは彼には関係のない、どうでもいい些細なことなのだろう！

紀姍姍は蕭海清に見つめられながら、意を決して言った：「私、友達と……」

「どこにいようと構わない。今すぐアジアスターカフェに来い。そうだ、お前のその二人の友達は連れてくるな。特に景雲昭だ！」紀姍姍が言い終わる前に、崔均は言い放ち、「パチン」という音と共に電話を切った。

蕭海清は両手を広げて：「ほら見ろ、クズ男だ」

紀姍姍も呆然として：「私、どうすればいいの？」

「紀姍姍お嬢様、そんなにこのクズ男が好きなの？」蕭海清は軽蔑した表情で尋ねた。

こんなに愚かな人を見たことがない。相手の態度がこれほど明白なのに、まだためらっている顔をしている。

情に厚いと言えるのか？蕭海清は心の中で即座に首を振って否定した。彼女と崔均は幼なじみで、この感情の大半は依存か習慣に過ぎない。彼女は自分の心の中で崔均についていくと決めて、絶えず自己催眠をかけ、考えすぎて頑固になり、崔均がいなければ生きていけないとか、これから誰とも結婚できないと思い込んでいる。実際には、ただ自分に甘すぎて、自分を追い詰めたくないだけなのだ。

この世の中に、誰かがいなければ生きていけないなんてことがあるものか？

以前は父親と喧嘩するたびに、天が崩れ落ちるような気がしていた。でも今、本質を見抜いてみると、大したことではないと分かった。彼女は独立した個人で、たとえ心の中に英雄的な父親像がなくても、十分に良い人生を送ることができる。

このいわゆる乗り越えられない壁は、実際には自分の心の中にある障壁に過ぎないのだ。