男は景雲昭を熱い視線で見つめ、目には卑猥な色が浮かんでいた。
この若い女の子は年齢が若そうで、きっとお金に困って、このクラブハウスで稼ぎに来たのだろう。ここには金持ちの男性が多く、一晩で数万円も手に入るかもしれない。そんな簡単なことに、若い女の子が誘惑に耐えられるはずがない。
ただ、目の前のこの二人は、適当な金持ちを見つけられなかったようだ。そうでなければ、こんなに急いで帰ろうとはしないだろう。失敗を恐れているのか?
景雲昭は、この男が既に二人のことを細かく分析し、まるで何でも分かったような顔をしていることなど知る由もなかった。
彼女はただ吐き気を感じていた。
蕭海清も同様で、すぐに口を開いた。「邪魔するな!」
「おや?嫉妬してるのかい?焦らなくても、二人とも仲良さそうだし、一緒にどう?俺様にはたっぷり金があるんだ」男は笑いながら続けた。「でも、やっぱりこっちの可愛い子の方が好みだな」
眉目秀麗で、表情は冷たいが、若いながらも体つきは悪くない。黒髪も綺麗で、触れば柔らかそうだ。隣の短髪の女の子は…
悪くない顔立ちで、むしろセクシーだが、彼の好みではなかった。
蕭海清は声をかけられたことがないわけではなかったが、華寧県では知り合いが多く、誰も彼女に何かをする勇気はなかった。
しかし今は違う。この男は服装も今飲んでいる酒を見ても普通ではなく、さらにこの傲慢な態度から、明らかに自分を旦那様だと思い込んでおり、出自も並ではないだろう。
ただの声かけならまだしも、こんな気持ち悪い言葉を吐くなんて、彼女は我慢できなかった。
「殴られたくなければ、さっさと消えろ。さもないと何が起こるか保証できないぞ!」蕭海清は怒鳴った。
しかし明らかに、この男は聞いてむしろ笑い出した。
「わざと俺の注意を引こうとしてるのか?まあいい、成功したってことにしてやろう…」そう言いながら、二人の肩に手を伸ばそうとした。
景雲昭の瞳が光り、「バキッ」という音が響いた。すると、その男は腕を押さえながら怒りの表情を浮かべた。「死にたいのか?」
その音の直後、周りから十数人の屈強な男たちが集まってきた。数人が指を鳴らし、あの男は額に冷や汗を浮かべ、先ほど伸ばした腕は今や外れていたが、病院に行く気配はない。