二十分ほど騒いでいたところ、この家の二人の孫が落ち着かなくなり、そのため嫁は二人の子供を連れて近くの屋台を見て回ることにした。
人が多くて騒がしく、はぐれやすいため、嫁がそう言うと、老人の顔色が一変した。
景雲昭もさっきその子を見かけたが、はぐれた方は四、五歳くらいで、上の孫も七、八歳くらいとまだ幼く、今は嫁に手を引かれて、おそらく怖かったのか、ずっと泣いていた。
武思思はこの家族に何かあったと察し、身を縮めて、機会を見つけて急いでその場を離れた。
「どうしたんだ?傑ちゃんは?!さっき子供から目を離すなって言っただろう?」おじさんは焦って言った。
女性は目を真っ赤にして「わかりません、二人が何か食べたいって言うから、お金を払わないといけなくて、ちょっと手を離したんです。でも上の子に下の子の手を握っているように言ったのに、お金を払い終わって振り返ったら、いなくなってて!もしかしてあなたたちのところに戻ったのかと思って……」
この言葉を聞いて、家族全員が慌てふためいた。
「早く探しに行きましょう!私の可愛い孫よ……」おばあさんは体を震わせ、声も震えながら、孫がいなくなった方向へ歩き出した。
こんなことが起きて、景雲昭もただ見ているわけにはいかず、後ろについて見に行った。
この通りは人が多く、毎年お正月になると事故の可能性が高くなる。交通事故はもちろん、子供が迷子になるケースも少なくない。
一時的な迷子なら良いが、親切な人に出会えば警察署に連れて行ってもらえる。しかし、もし人身売買組織に遭遇したら、この人の海の中でどうやって探せばいいのだろうか?
そのことを知っているからこそ、この家族はより一層焦り、老人に上の孫を見させ、夫婦は通りを走り回った。
「息子!あれは私の息子!」群衆の中で、景雲昭はかすかに嫁が叫んだのを聞いた。
景雲昭は彼女が興奮して指さす方向を見た。数え切れないほどの人々の中に、子供を抱いている見知らぬ人影を見つけた。その子供も見覚えがあり、遠くからでも服装や色、デザインで大体判断できた。
子供がいなくなってからまだ時間が短く、相手もまだ遠くに行っていないため、今見つけられたのは幸運だった。
ただし、子供と母親の間の距離は遠くないものの、人の波で埋め尽くされていた。