第452章 追跡

景雲昭も構っていられず、人混みの方向へ追いかけていった。

彼女も余計なことに首を突っ込みたくはなかったが、これまで身につけた武術は何のためだったのか?この老婆の孫が目の前で連れ去られるのを、黙って見過ごすわけにはいかないだろう?

一方、その夫婦も群衆を掻き分けて進んでいった。二人は恐ろしいほど泣き叫び、周りの人々も道を開けていた。

相手の姿が見えたと思った次の瞬間、犯人は曲がり角を曲がって姿を消してしまった。追いかけて行ってみても、もはやその姿を見つけることはできなかった。

景雲昭は厳しい表情で、注意力を集中させ、相手から目を離さなかった。

相手が別の通りに入った時、似たような体格の人物全てに注意を払った。

先ほどの人物は上着を着替え、子供の服装も変えていた。小さな頭はスカーフで包まれ、新しい帽子も被せられており、外から見ては何も違和感がなかった。