鐘清の二人の弟はまだ幼く、当然住む場所がないわけにはいかない。
仕方なく、悔しい思いを抱えながら親戚や友人に電話をかけたが、この件はあっという間に広まってしまい、あの叔母さんは親戚や友人たちに根回しをしていたため、誰も彼女の相手をしてくれなかった。
一晩中奔走した末、鐘清はようやく亡くなった母親に異母弟がいることを思い出した。半分おじさんにあたる人で、急いで連絡を取ってみることにした……
その時、景雲昭はすでに空間の中で眠りについていた。
翌朝早く、この件は寧市全体に広まり、景雲昭は政治に詳しくなくても、孟家がこれによって大きな影響を受けることは分かっていた。
彼女が以前白俞安に孟家の調査を依頼したのは、世論の力を借りたかったからだが、孟家より強力な後ろ盾がなければ、世論も味方してくれないことも分かっていた。結局のところ、寧市の主要メディアは圧力をかけられ、誰も孟家に関する事を暴露する勇気はないだろう。
しかし今は違う。孟林は現行犯で逮捕され、内部の名簿も明確だった。
たとえ孟市長が関与していなくても、孟林が甥の立場を利用していた以上、彼が無関係を装うことは不可能だった!
認めざるを得ないが、景雲昭も黎少雲のこの一手はタイミングが良かったと感じていた。
そうでなければ、孟林から完全に逃れるには、最も効果的な方法は闇で彼を殺すしかなく、誰にも気付かれないようにする必要があったが、そうすれば危険も極めて高くなる。追い詰められない限り、自分を崖っぷちに立たせたくはなかった。
黎少雲は彼女にとって神がかり的な味方で、いつも最も重要な時に手を貸してくれた。
ただし景雲昭は心の中で密かにため息をついた。感謝はしているものの、特に黎少雲に対して、このように人に頼る感覚はあまり好きではなかった。
しかし景雲昭が黎少雲が功を誇りに現れると思っていた時、彼はすでに忙しくて姿を見せなかった。
あの少し変わった軍官たちに至っては、景雲昭は二度と見かけることはなかった。
様子を見守る中、景雲昭は入学の時を迎えた。
景雲昭が学校に着くと、みんなが彼女を見る目つきが少し違っているのに気がついた。
「景雲昭、お正月に人身売買組織を捕まえたって本当?」教室の入り口に入るや否や、クラスメートが駆け寄って聞いてきた。
景雲昭は一瞬驚いたが、うなずいた。