第492章 引っ越してください(2)

景雲昭は続けて数回話し終えると、鐘清の表情は少し歪んでいた。

蘇楚と蕭海清は驚愕していた。一見純粋で無害に見える鐘清が、帝享龍庭のホステスだったとは全く想像もしていなかった。

この帝享龍庭は今や誰もが知るところとなり、華寧県は寧市に近いため、情報はより詳しく伝わっていた。三歳の子供でさえ悪い人たちが捕まったことを知っているほど、その影響は深かった。

現在、至る所で報道されており、このクラブハウスには男女のホストやホステスが合わせて数千人いて、その中でも大部分が売春行為を行っていたと言われている。このような悪質な場所が摘発され、多くの人々が最終判決を待ち望んでいた。

同時に、そこで働いていたホステスたちも注目を集めていた。

記者たちが何人かを取材したところ、生活に困って仕方なくという者もいれば、単にお金のためという者もいた。さらには、家庭環境が決して悪くないのに、親に隠れてこの仕事に就いていた男女もいた。そして、摘発の映像が公開されたとき、多くの家庭が悪夢に陥り、自分の子供のことを全く理解していなかったことに気付いた。

この事件は大きな騒ぎになったが、蘇楚は自分の身近な人がそうだったとは全く思っていなかった……

その小さな顔は、青ざめたり赤くなったりしていた。

「鐘清、あなたが前に父に話した、叔母さんに家から追い出されたという話……実は自分が悪いことをして見つかったからでしょう……」と蘇楚は尋ねた。

なるほど、だから彼女は自分の父親を頼ってきたのだ。

確かに鐘清の両親は亡くなっているが、親戚や友人は少なくないはずだ。そして自分の父は鐘清の母とは全く感情的な繋がりもなく、連絡を取ったこともないのに、どう考えても彼らのところに来るべきではなかった。

きっと他の人々は彼女の状況を知っていたから、彼女を家に入れることを拒んだのだろう。

彼女も帝享龍庭の事件については知っていたが、詳しくは知らず、このいとこを調べようとも思わなかった。ずっと三姉弟が可哀想だと思っていた……

「楚楚、そうじゃないの。叔母さんは昔から私のことが嫌いで、私のことを信じてくれなかった。私が困っているときに慰めるどころか、さらに追い打ちをかけてきたの……」と鐘清は言い返した。

蘇楚の価値観は完全に崩壊した。

自分が悪いことをしておきながら、他人からの慰めを求めるなんて?