些細なことに比べて、景雲昭はむしろこの診療所にいることの方が好きで、一日中座っていても疲れを感じることなく、むしろ気分が良くなるのだった。
それに、蘇家に行ったところで彼女に何ができるわけでもない。結局、蕭海清がいるのだから、あの鐘清が蘇楚の利用することなどできるはずもない。
景雲昭が言うと、蕭海清と蘇楚も頷いて同意し、あの男女が車で去っていくのを見るや否や、急いでタクシーを拾って後を追った。
「雲昭ちゃん、薬材を整理して、何が足りないか確認してくれ。足りないものは取り寄せておくから」陳医師は直接指示を出し、表情も普段通りに戻っていた。
景雲昭がいる日は、いつも仕事がとてもスムーズに進むのだった。
彼女は目が利き、薬材を見分ける能力は自分のような老人にも劣らず、むしろ今では知識もどんどん増えているようで、多くの場合、難しい症例の解決を手伝ってくれる。甘先輩でさえ彼女を絶賛し、天才だと認めているほどだ。
景雲昭は落ち着いた態度で薬棚に向かい、規則通りに一つ一つ確認していった。
「陳お爺さん、この薬棚の中で薬材がかなり混ざってしまっています」景雲昭は確認して、大きく驚いた。
理屈の上では、陳医師は何十年も医療に携わってきて、この診療所もずっと彼が管理してきたのだから、こんなことが起こるはずがない。しかし実際には、これらの薬棚の中の薬材は混乱していて、まるで薬材を知らない人が…
ここまで考えて、景雲昭は口角を引きつらせた。これはおそらく、あの鐘清が以前薬を取り出した時に引き起こした結果だろう。
陳さんが来て見てみると、言葉を失い、しばらく黙ってから言った。「お前と楚楚は、あの気が変な娘から距離を置きなさい。彼女に影響されないように。あんな品性では、いずれ大きな目に遭うぞ」
老医師の心の中で考えていたことは実際にはもっと深刻だったが、自分が年長者であり、景雲昭が彼の目には子供に見えることから、その口調は随分と抑えられていた。
景雲昭は頷いて、同意を示した。
彼女が薬棚の整理をし、ほぼ片付いた頃には、蕭海清と蘇楚も家に駆けつけていた。
彼女たちは鐘清より一歩遅れていたため、到着した時には鐘清が部屋の中の物を全て梱包しているところを目撃した。