第522章 救出される

濃い煙が散った後、景雲昭は蘇楚を守りながら火災現場に戻った。周囲には熱波が次々と押し寄せ、頭上の揺れる石壁は今にも落ちてきそうだった。

爆発後の破片が四方を塞いでおり、景雲昭は蘇楚を連れて身動きが取れなかった。

「ドン」という音とともに、景雲昭は重いものが落ちる音を聞いた。誰かが横に蹴飛ばしたようだった。

心臓が跳ね上がり、上方を見つめ、深く息を吸い込んだ。

上にあるものはいつ落ちてくるかわからない。しかし、もう一度空間に戻っても、出現した時にはまたここに閉じ込められてしまう。しかも、周囲の面積が狭すぎて、その時には蘇楚を連れて出られるかどうかもわからない……

誰かを呼ぼうとした時、景雲昭は煙に喉を詰まらせて咳き込んだ。

「昭ちゃん!」十メートルほど離れた場所から、聞き覚えのある声が聞こえた。

景雲昭は驚いた。黎少雲だった。

彼は寧市にいるはずではなかったか?この時間では、どんなに早く来ても間に合わないはずなのに、どうして……

「黎さん!私はここよ!」考える暇もなく、景雲昭は急いで叫んだ。そして、周りの石を叩いて、はっきりとした音を立てた。

黎少雲は安堵の息をつき、この火災現場の中で、音を頼りに進んでいった。彼の動きは素早く、すぐに二人の間には一枚の石が隔てるだけとなった。その石は赤く光り、極めて熱かった。

しかし、景雲昭は目の前の石柱が一定の速度で横に移動していくのを見た。安定した速度で動いていた。

数分後、轟音とともに地面に落ちた。

景雲昭は目の前の人物を驚きの目で見つめ、言いようのない感覚に襲われた。何か言おうとした瞬間、黎少雲は突然彼女の肩を押さえ、しゃがみ込ませた。そして彼の前に一つの影が現れ、「ドン」という音とともに、頭上の大きな石がついに落下し、黎少雲の背中に落ちた。

その瞬間、景雲昭は彼を見つめ、理解できず、慌て、心配し、恐れた。

この時、黎少雲と彼女の距離はわずか数センチメートル。その重圧の下、荒い息遣いが特に重々しく聞こえた。

景雲昭が口を開こうとした時、黎少雲は直接言った。「怖がらないで、すぐに大丈夫になるから」

瞬時に、景雲昭は呆然となった。