第522章 救出される

濃い煙が散った後、景雲昭は蘇楚を守りながら火災現場に戻った。周囲には熱波が次々と押し寄せ、頭上の揺れる石壁は今にも落ちてきそうだった。

爆発後の破片が四方を塞いでおり、景雲昭は蘇楚を連れて身動きが取れなかった。

「ドン」という音とともに、景雲昭は重いものが落ちる音を聞いた。誰かが横に蹴飛ばしたようだった。

心臓が跳ね上がり、上方を見つめ、深く息を吸い込んだ。

上にあるものはいつ落ちてくるかわからない。しかし、もう一度空間に戻っても、出現した時にはまたここに閉じ込められてしまう。しかも、周囲の面積が狭すぎて、その時には蘇楚を連れて出られるかどうかもわからない……

誰かを呼ぼうとした時、景雲昭は煙に喉を詰まらせて咳き込んだ。

「昭ちゃん!」十メートルほど離れた場所から、聞き覚えのある声が聞こえた。