しかし、そういったことを黎少雲は景雲昭に話すつもりはなかった。彼女に自分が強くない、良い人間ではないと思われたくなかったからだ。
景雲昭は疑わしげに彼を一瞥し、口を尖らせた。「今も調査中なの?じゃあ、いつ辞めるの?あなたの仲間たちはもう京都に戻ったんでしょう?一緒に行かなくて大丈夫なの?」
黎少雲の身分について、彼女には全く理解できなかった。一体どんな軍制なら、彼がこんなにも自由気ままに外をうろつき、まるで何の用事もないかのように過ごせるのだろうか?
「君が18歳になるまで待つんじゃなかったっけ?」黎少雲は当然のように言った。
そう言いながら、彼女の髪に手を伸ばして触れ、笑いながら言った。「言い忘れていたけど、今は僕が君の後見人だよ。正式にね。」
景雲昭は目を見開いた。「どういう意味?」
「文字通りの意味さ。以前は喬家が君の後見人で、その後は学校と町内会になったけど、実際には彼らは君のことを全然気にかけていなかった。だから僕が責任を持って君の面倒を見ることにしたんだ。これからは誰かに虐められることもないだろう。いいだろう?」と黎少雲は続けた。
後見人を変更するだけのことだ。景雲昭には両親も親戚もいないのだから、彼の立場でそれができないはずがなかった。
景雲昭は完全に呆然としていた。
数秒後、眉をひそめて言った。「何をしようとしているの?私には後見人なんて必要ないわ。」
しかも、その後見人が黎少雲だなんて!
二人には何の関係もないはずでしょう?
「昭ちゃん、まだ未成年なんだから、誰かが見守らないといけないだろう?」黎少雲は強い態度で言った。
「必要ないわ!黎さん!」景雲昭も怒り気味だった。この人はどうしてこんなことができるの?彼女の意思を無視して、勝手に決めてしまうなんて。
「昭ちゃん、怒ってる?」黎少雲は急にしおれたような、委屈そうな表情を見せた。「僕が君の後見人になれば、これからは正式に君を助けることができるんだ。学校の保護者会にも誰かが出席できるし、僕は見た目も悪くないから恥ずかしい思いもさせない。それに少し腕力もあるから、君の代わりに仕返しもできる。今はちょうどこんな仕事も見つけたし、学校でも君の安全を確保できる。それに自分で生活していけるから、君に食事の面倒を見てもらう必要もない。いいことづくめじゃないか?」