第546章 このイケメン見覚えがある

景雲昭は皆と一緒に見つめ、その見慣れた顔に目が留まると、口角が引きつった。

黎少雲!

新しい体育教師が黎少雲だなんて?

景雲昭は一瞬呆然とした。彼女の知る限り、体育教師は誰でもなれる職業ではないはずだ。特にこの一中のような学校では、体育教師はおろか、門番の警備員でさえ、他の学校より高い基準が求められるのに!

景雲昭の疑わしげな視線を見て、黎少雲は軽く笑い、次の瞬間、「景雲昭、クラスメートを率いて準備運動をしなさい」と言った。

クラスメートたちは驚いた様子を見せた。

以前の体育教師も景雲昭を気に入っていて、彼女の声が響きがよく耳障りでもないため、よく彼女にリードを任せていた。しかし、教師が変わったのに、また景雲昭を指名するとは?

それに、この体育教師は確かにかっこいいけど...どこかで見たことがあるような?

こんなにハンサムな男性は珍しく、しかも最初から景雲昭の名前を出したことから、クラスメートたちはすぐに驚きの声を上げ始めた。

「これって...前に景雲昭を訪ねて来た学校のイケメンじゃない?」

「見たことある、天香樓のオーナーだよ。クラス分け前にクラスメートが招待してくれて、そこで食事したことがある...」

以前、喬尉民が学校で騒ぎを起こした時、黎少雲が現れた。その時、景雲昭が喬尉民を散々殴りつけたのに、この黎少雲は少しも驚かず、むしろ景雲昭のために他人の机を奪ったほどだった...

過去の出来事が脳裏によみがえり、クラスメートたちはますます騒がしくなった。

景雲昭は列から出て、黎少雲の前に立ち、少し不思議そうに彼を見つめた後、落ち着いた様子で皆をリードして準備運動を始めた。

彼女は細身だが体のプロポーションが極めて良く、シンプルな動きでも彼女が見せると独特の美しさが加わった。黎少雲は横で眉を上げながら見ていたが、クラスメートたちに目を向けると、数人の男子生徒が景雲昭をじっと見つめているのに気付いた。

準備運動が終わると、黎少雲は即座に「女子は三周、男子は十周!学級委員長と景雲昭がリードすること!」と言った。

この言葉に、男子生徒たちは一斉に悲鳴を上げた。

しかし、それだけではなかった。