第585章 二人で話そう

蕭道安はお世辞っぽく二人の警備員にタバコを差し出し、丁寧に言った。「ジェームズさんに一言伝えていただけませんか。私は蕭と申しまして、昨夜の...あの娘の父親なのですが...」

相手は上から目線で彼を一瞥し、中へ入っていった。

数秒もしないうちに、再び出てきて、蕭道安を強引に中へ押し込んだ。

ジェームズの両足は包帯でぐるぐる巻きにされており、ベッドの前には何嘉思が心配そうな表情で座っていた。景雲昭を見ると、明らかに警戒の色を浮かべた。

ジェームズの白い顔が引きつり、蕭海清を睨みつけながら怒りに満ちた表情で、何嘉思が差し出した果物を投げつけた。

果物は蕭海清の顔めがけて飛んできたが、景雲昭が手を伸ばしてそれを受け止め、さっと投げ返すと、ジェームズの額に当たった。

次の瞬間、ジェームズは矢継ぎ早に何かを叫び始めた。その怒りの表情と険しい動作が、今の感情を如実に表していた。景雲昭は彼の言葉を細かく聞き取る必要もなく、今が罵倒の時だと分かった。