好色な男なら誰でも女性からの誘いを断れないものだ。特にジェームズのような男は。
彼は足を失うという打撃を受けたばかりで、心の中では多少の劣等感を感じていた。これからは女性を魅了する能力を失うのではないかと恐れていた。しかし、今この瞬間、江蓉が現れ、蕭海清の言葉に恥ずかしそうに同意し、彼に好意を示している。
しかも、彼はあの蕭道安に会ったことがある。典型的な東洋人の顔立ちで、年も若く、むしろかなり魅力的な容姿をしているのに、そんな男の妻が他の男に心を移してしまうとは!
蕭道安が妻を売って出世を求めている可能性は極めて高いが、それでもそういうことではないような気がする。結局のところ、娘と妻は違うのだ。
娘は手のひらで大切に育てても、いつかは嫁ぐものだ。しかし妻は個人の所有物なのだ。
蕭道安のような男は、自分の娘を売ることはできても、自分の妻が他人に所有されることは絶対に許せないはずだ。それは男としての尊厳を侵されることになるからだ。
つまり、この江蓉は本当に心から好意を持っているということだ。
彼の金に目がくらんでいるのか、それとも彼自身に惹かれているのか。
「贈り物は届けました。写真を出してください。お酒の製法は私が持っているこの箱の中にあります」と蕭海清が言った。
ジェームズはうなずき、卓海洋は彼の表情を見ながら、ファイルを取り出した。中には写真といくつかのハードディスクが入っており、すべての物がそこにあるはずだった。
蕭海清は中身を一瞥し、箱を押し出した。「これは本物です。信じられないなら、自分で醸造してから確かめてみればいい」
そう言うと、蕭海清は立ち上がった。
数人のボディーガードがすぐに周りを囲んだ。
蕭海清は笑みを浮かべた。
「ジェームズさん、同じことをもう一度やりたいですか?でも、もし本当にそうするなら、今度は足を失うだけでは済まないでしょう。取引なのですから、取引らしくすべきです。もし欲情に駆られているなら、この差し出された美女で十分でしょう。もし私に手を出すつもりなら……」蕭海清は言いながら、ナイフを取り出した。