第595章 泣く子にはアメをやる

あっという間に、蕭海清はまるで物思いにふける子供のように変わってしまい、そう言い終わると、目に涙が溢れ、数滴の涙を流してしまった。

すすり泣く声が聞こえてきて、蕭道安は驚いて振り返ると、蕭海清の頬に涙が伝い、二筋の涙痕が際立っており、まるで数々の辛い思いをした子供のように見え、彼の心を痛めた。

「蓉ちゃん」蕭道安は眉をひそめて言った。「海清の側にいてやってくれ。最近彼女の気分が優れないから、分別のある女性が側にいて導いてやる必要がある」

海清はやはり女の子なので、内密な話は父親である彼には話せないのだ。

それに、前回卓海洋の部屋で、彼の娘は突然ジェームズの人になってしまった。まだこんなに若いのに、突然そんな変化があって、彼女にとってはきっと受け入れがたいか、慣れないことだろう。だからこの期間、性格がこれほど急激に変わってしまったのだ。

母親がいないのだから、彼女の心の悩みを聞いてあげる役目は自然と江蓉が代わりを務めることになる。

「あなた……でも俊俊が……」江蓉は焦って言った。

「家には王お姉さんがいるじゃないか？あれだけの給料を払っているんだ、子供の面倒も見られないというのか？」蕭道安は言い終わると、彼女の服装を一瞥して「もっと見栄えよく着なさい。粽みたいに包まれていて、見ているだけで息が詰まりそうだ」

江蓉の胸は一気に詰まった。

暑い季節なのに、彼女は長袖に長ズボンを着て、色も重くて暗いものだった。

しかし、これは彼女の好みの服装ではなく、以前夫が彼女の服装が派手すぎると文句を言ったため、彼が浮気を疑うのではないかと恐れて、わざと家政婦のような格好をしていたのだが、それでもまた叱られてしまった。

「そうですね、江叔母さん、最近の服装のセンスが落ちているみたいですね。さっき階下で私を待っている時、看護師さんが私に聞いてきたんです。本当にあなたなのかって。少し老けて見えるって。父さんとあまり釣り合わないみたいだって」蕭海清は赤い目で言った。

彼女の父は非常に気分屋で、以前江蓉を褒めた後は、もう彼女の服装について何も言わなくなった。父が彼女の根拠のない一言で、ずっと江蓉の服装に文句を付けることはないはずだ。

蕭道安は面子を重んじる人で、蕭海清にそう言われると、すぐに妻を連れてブランド服の店に行って一通り見て回った。