第602章 罪を償って功を立てる

江蓉が途方に暮れていた時、蕭海清が車のドアを開けて、歩み寄ってきた。

彼女の爽やかな短髪は、どこか妖艶な格好良さを漂わせ、あのドレスを着ると、もはやボーイッシュな印象は微塵もなかった。

一歩一歩近づいてくる彼女の眼差しは、まるで全てを溶かし尽くす魔力を秘めているかのように輝き、江蓉の心を震わせた。

間違いない、彼女が復讐に来たのだ。

「江叔母さん、まさかこんなに大胆な方だったとは、思いもしませんでしたわ」蕭海清は軽く笑いながら、動きを止めることなく、一見親切そうに手を差し伸べた。

江蓉はそれを聞くや否や、蕭海清を突き飛ばした。「この売女！私を陥れたのはあなたよ！あなたなのよ！蕭海清、私があなたに何をしたというの？こんな恥知らずな方法で私を苦しめるなんて！」

「恥知らず？ふふ」蕭海清は軽く笑った。「江叔母さん、私がここに送られた理由が全て父のせいだと言い切れますか？あなたが煽っていなかったとでも？」

彼女の父は、内心偽善者で、娘を送り出すようなことは心の中で考えていても、そんなに直接的な行動は取らなかったはず。誰かが絶えず彼の言い訳を作り、彼のメンツを保ち、やむを得なかった、仕方がなかった、被害者である娘のためだったと自分を慰めさせない限り。

そして、傍らで絶えず彼を洗脳していた人物こそ、江蓉ではなかったか？

まさに、人を利用して殺人を犯したようなものだ。父親以上に、彼女こそが自分を永遠に這い上がれなくした張本人だった！

よくも何も悪いことをしていないなどと言えたものだ！

それこそ彼女が聞きたかった言葉だ！一体何の恨みがあって、嫁いできた日から彼女を標的にし、父との関係を引き裂き、家庭を崩壊させ、あやうく汚されそうになるまで追い込んだのか！

本妻の娘だからか？母が先に父と知り合っていたからか？

それが彼女の罪なのか？

蕭海清は口元に笑みを浮かべ、軽く息を吐いた。「江叔母さん、もう過ぎたことです。確かに私の心にも多少の恨みはありますが、昨夜は本当に何もしていません。私はただ丁寧にご一緒に中へ入りませんかとお誘いしただけなのに、あなたは考えもせずに同意なさった。むしろ待ちきれない様子でしたよね。信じられないなら、劉叔父さんに本当にそうだったのか聞いてみればいいじゃありませんか？」