第611章 死して全尸なし

景雲昭は地面に横たわる遺体を同情的に見つめ、亡くなった老人のために一つため息をついた。

生きている間は子や孫の幸せを享受できず、死んでからも息子に振り回されるとは、本当に哀れなものだ。

その男は地面に横たわる老父を見下ろし、目に一瞬の後ろめたさが浮かんだ。「もちろん、父にこんな苦労をさせたくはなかったんですが...」

そう言いながら、息子と一緒に老父を診療所に運び入れた。

景雲昭は前に出て手伝い、この老人の体を注意深く観察した。真夏のせいで、老人の身に着けている服は多くなく、足に青あざがあるのが見えた...

「若いの、あなたのお父さんのことは私もどうなったのか分からないが、彼は私の患者だった。言ってごらん、いくら欲しいんだ...」甘旦那さんも事情を察していた。以前、その老兄は息子が自分の面倒を見ないと話していたのに、今死んでこんなに激しく門を叩いてくるなんて、老人のために正義を求めるだけではないはずだ。結局はお金のためだろう。