第046章:価値千金の手

坂本真理子は笑みを引き締め、真剣な表情で薄い唇を引き締めながら言った。「お前が結婚式の日に私の妹を置き去りにして他の女を探しに行った時点で、私たち二家は決裂したんだ!」

「加奈には説明したんだ。あれは誤解で、その時は...」

林翔平の言葉は坂本真理子に遮られた。声は喉から絞り出すように出てきた。「理由なんてどうでもいい!お前が男なら、いや、人間なら新婚の日に自分の花嫁を置き去りになんてしないはずだ!

お前は坂本家を軽んじてもいい、坂本家の面子を気にしなくてもいい。でも、てめえは加奈の気持ちを無視するなんてできないはずだ。新郎のいない結婚式で、あの若い娘がどう対処すればいいのか、その後どれだけの人に指をさされ、嘲笑され、見下されるか、てめえは考えもしなかったのか!」