第150章:拾った宝物だな

坂本加奈はそれを気にせず、純粋に鑑賞の気持ちで彼女のダンスを見ていた。

彼女は上手に踊っていて、会場の男性たちはもちろん、自分が男性だったとしても興奮したことだろう。

一曲が終わると、白川晴香は汗だくで、髪が頬に張り付き、より一層の大人の色気を醸し出していた。林波留が差し出したティッシュを受け取り、汗を拭いながら坂本加奈を見た。

「あなたの番よ」林波留は勝ち誇ったような表情を浮かべた。

墨都の春は他の都市より早く訪れるが、坂本加奈は彼女たちのように早々とスカートに着替えて、すらりとした脚を見せることはなかった。

やはり家には「父親系」の彼氏がいて管理しているからね。

今日彼女はズボンを履き、春向きの薄手のセーターを合わせ、長い髪をお団子にまとめていた。いくつかの黒髪が不規則に落ちて、ふわふわとして更に可愛らしく見えた。