第176章:謝罪

坂本加奈は数日間家で休んでから学校に戻り、林翔平を見ても特に驚きはしなかった。

林翔平からは以前の偽りの温厚さが消え、目尻や眉に垣間見える成熟さと忍耐は、人生に打ちのめされた痕跡だった。

「話でもしようか?」

坂本加奈は時間を無駄にしたくなく、学校の公園を指さした。

二人は並んで歩き、道の両側にはフランスプラタナスが植えられ、緑の葉が頭上を覆い、まだらな光が降り注ぎ、金箔を散りばめたようだった。

林翔平は彼女を見下ろし、以前とは何か違うと感じたが、それが何なのかはわからなかった。

坂本加奈は足を止めた。周りには既に学生はおらず、話しやすい環境だった。

「林波留のために情けをかけてほしいと思っているなら、やめておいて。今回の件は告訴を取り下げるつもりはないわ」

もし林波留が単に彼女だけを標的にしていたのなら、考慮の余地もあったかもしれない。でも林波留が坂本おばあちゃんに手を出したことは、地雷原で踊るようなもので、自ら死を求めているようなものだった。