第178章:キャラ設定

校長は坂本加奈を見つめ、眉をひそめて「あなたは誰ですか?本校の生徒か、それとも保護者ですか?」と尋ねました。

「彼女は生徒の保護者ではありません。彼女の子供は名誉毀損で刑務所に入ることになっているんです!」

この言葉を聞いて、周りで見物していた学生たちは一瞬で状況を理解しました。

以前、学校の掲示板で坂本加奈についての噂を広め、いじめられている、写真を撮られている、さらには高橋先生との不適切な関係を示唆する書き込みがありました。

しかし坂本加奈は裁判に勝ち、それらが全て虚偽の噂だったことが明らかになりました。

なぜそんなことをしたのか不思議に思っていましたが、今この場面を目の当たりにして、全く不思議ではなくなりました。

このような親を持つ子供が、まともなはずがありません。

校長は坂本加奈を一目見て、表情が一気に曇りました。他の人は知らなくても、彼は坂本加奈の身分をよく知っていました。

彼女は黒川社長の若妻で、黒川社長は直接学校に来て坂本加奈の面倒を見るよう依頼し、さらに全校の教室にエアコンを寄付し、全ての費用を負担していたのです。

もし黒川社長が今日の出来事を知ったら、来年の奨学金や寄付予定の研究機器が水の泡になってしまうかもしれません。

校長はすぐに厳しい口調で言いました。「こちらの方、ここは学校であって路上ではありません。好き勝手な振る舞いは許されません。すぐに退去してください。さもなければ警備員を呼びます。」

内村里美は呆然としたまま、目に驚きと信じられない様子を浮かべていました。

彼女が結婚した男が黒川浩二だったなんて!

あのピラミッドの頂点に立ち、墨都中の誰もが恐れる黒川家の当主——黒川浩二だったなんて!!

校長は彼女が反応しないのを見て、思わず叫びました。「警備員!警備員は!……」

警備員が来る前に、林翔平が慌てた様子で走ってきて、内村里美の腕を掴み、歯を食いしばるような声で言いました。「母さん、ここで何をしているんですか?」

内村里美はまだ信じられない表情のまま、「そんな…まさか……」

林翔平は坂本加奈の方を見て、瞳に一瞬の恥じらいが浮かびました。「申し訳ありません。母は一時の感情で…私が代わりに謝罪します。」

彼は林波留のことは放っておけても、実の母親のことは無視できませんでした。