黒川浩二は立ち上がり、つま先を彼女に向けて、一歩一歩近づいてきた。
坂本加奈は思わず横に退き、足が引き出しを押し戻し、全身がガラスの扉に寄りかかった。
男性は頭を下げ、鼻先が彼女の鼻先に触れそうなほど近づき、低く掠れた声で——
「恥ずかしがることないだろう?俺は君の服を脱がせたことがあるんだから……」
坂本加奈は目を大きく見開き、恥ずかしさと怒りで、「あ、あなた、変なこと言わないで……んっ……」
言葉が終わらないうちに、黒川浩二は頭を下げて彼女の紅い唇にキスをした。
シャワーを浴びたばかりで、彼女は黒川浩二のボディーソープを使っていたため、体の香りが彼と全く同じで、瞳は洗い流したかのように澄んで輝き、美しさに目が離せなかった。
彼女は黒いシャツを着ていて、細くまっすぐな脚がシャツの下から伸びていた。白と黒のコントラストは、愛の味を知ったばかりの男性にとって、致命的な誘惑だった。