第316章:クールでカッコいい

黒川麻美は赤い唇で冷たい魅惑的な笑みを浮かべた。「その言葉は私が言うべきじゃないかしら?」

「これだけの年月、実の母親なのに死んだも同然だったくせに。やっと過去の影から抜け出して結婚して幸せな生活を送っているのに、なぜ今更現れて邪魔をするの?一体何がしたいの?」

白川櫻は冷たい表情で黙っていた。

黒川麻美は彼女の腹を踏みつけながら、身を乗り出して近づき、冷たい眼差しで彼女を見つめた。まるで汚いものを見るかのように。

「白川櫻、警告しておくわ。確かに彼はあなたの腹から生まれたかもしれないけど、黒川の姓を持つ私たち黒川家の子供よ。黒川家の人間を虐めることは許さない。西村律樹のような役立たずと結婚したからって安心してると思わないことね」

そう言い終わると、腹を踏みつけていた足を離したが、白川櫻が安堵のため息をつく間もなく、今度は腰を激しく蹴りつけた。