第324章:見つかった

坂本加奈は誘拐された。

警察が執事に尋問しに来た時、執事は最初誰かのいたずらだと思った。

すぐに黒川浩二に電話をかけると、黒川浩二は今日取締役会があり、会議の途中で電話を受けた時、会議室の株主たちを置いて、立ち上がって墨大へ急いだ。

野村渉はずっと坂本加奈についていたが、坂本加奈が休憩室で休むと言い、ついてこなくていいと言われたので、学校の近くで彼女に何か食べ物を買おうと思っていたら、人がいなくなってしまった。

休憩室には誰もおらず、携帯電話が床に落ちているだけで、休憩室付近の監視カメラは風船で遮られており、何も映っていなかった。

黒川浩二は暗い表情で、携帯電話を強く握りしめ、一言も発せず、野村渉に視線を送った。

野村渉は意を汲み取り、すぐに自ら調査に向かった。