第324章:見つかった

坂本加奈は誘拐された。

警察が執事に尋問しに来た時、執事は最初誰かのいたずらだと思った。

すぐに黒川浩二に電話をかけると、黒川浩二は今日取締役会があり、会議の途中で電話を受けた時、会議室の株主たちを置いて、立ち上がって墨大へ急いだ。

野村渉はずっと坂本加奈についていたが、坂本加奈が休憩室で休むと言い、ついてこなくていいと言われたので、学校の近くで彼女に何か食べ物を買おうと思っていたら、人がいなくなってしまった。

休憩室には誰もおらず、携帯電話が床に落ちているだけで、休憩室付近の監視カメラは風船で遮られており、何も映っていなかった。

黒川浩二は暗い表情で、携帯電話を強く握りしめ、一言も発せず、野村渉に視線を送った。

野村渉は意を汲み取り、すぐに自ら調査に向かった。

警察は黒川浩二に尋ねた。「黒川社長、奥様は最近誰かと揉め事がありましたか?」

黒川浩二は固く結んだ唇を開き、簡潔に二つの名前を吐き出した。「西村美香、白川櫻」

「誰ですか?」警察は白川櫻と西村美香を知らなかった。

藤沢蒼汰が以前の出来事を簡潔に説明した。

警察は記録し、「すぐにこのお二人について調査し、黒川奥様の誘拐が彼女たちと関係があるかどうか確認します」と述べた。

黒川浩二は眉間にしわを寄せ、霜のように冷たい表情で、喉仏を動かし、歯の間から声を絞り出した。「誰が通報したんだ?」

「メッセージで通報を受けましたが、電話をかけても誰も出ませんでした」念のため、彼らはすぐに出動し、メッセージの内容が本当かどうか確認することにした。

メッセージ?

黒川浩二はすぐに坂本加奈の携帯電話を開き、メッセージを開くと通報メッセージを見つけた。

氏名、年齢、住所、親族が詳しく書かれており、警察に早く救助を求めていた。

警察も気づいた。「黒川奥様が自分で通報したんですか?黒川さん、携帯電話を私たちに渡していただけますか?調査のため持ち帰る必要があります」

黒川浩二の骨ばった指が一瞬強く握りしめられ、最終的に携帯電話を警察に渡した。

「それと、お宅を捜査させていただき、手がかりがないか確認させていただきたいのですが!」

黒川浩二もそれに同意した。

***

黒川浩二は警察と共に月見荘に戻り、警察は上階を捜索して手がかりがないか確認した。