「浩二!清!黒川!」黒川美月は怒って腰に手を当てた。
「呼ばないなら食べさせないよ」黒川浩二はベッドに寄りかかり直した。
黒川美月は深いため息をつき、最後には仕方なく「お兄ちゃん!」と呼んだ。
「いい子だね!」黒川浩二は隠していたお菓子を取り出して彼女に渡した。「はい、食べなさい。そのうち太っちゃうよ!」
「そんなことないもん!」黒川美月は彼の隣にベッドに座り、お菓子を食べながら言った。「私が毎日バレエの練習でどれだけ疲れているか知らないでしょ!お兄ちゃんが羨ましい!」
「何が羨ましいの?」黒川浩二は机の上に山積みになった本を指差した。「僕の方が本を読んだり宿題をしたりすることが多いのが羨ましいの?」
黒川美月は口いっぱいにお菓子を詰め込んで、首を振り子のように振った。「それならバレエの方がいい。」