「彼らは無実なのに、美月は無実じゃないの?」坂本加奈は前に出て、彼女の手を振り払った。その汚れた手で浩二に触れてほしくなかった!
彼女にはその資格がない!
深木真理子は地面に倒れて泣き崩れ、もう一度黒川浩二に懇願しようとしたが、坂本加奈に阻まれた。
黒川浩二の暗く光のない瞳には冷たさが満ちていた。薄い唇から三つの言葉が漏れた。「連れて行け」
野村渉はそれを聞くと、前に出て痩せこけた老婆を引っ張って外へ向かった。
確かにお年寄りにこんな扱いをするのは良くないが、彼女のした非人道的な行為を思うと、なぜか気分がすっきりした!
哀れな人には必ず憎むべき点があるものだ!
坂本加奈はメディアの人々を見て、「今日の出来事は、皆さんが目撃し、耳にしたことです。皆さんには夢を裏切ることなく、真実と事実を公表し、私の夫の清廉潔白と正義を取り戻していただきたいと思います」