第406章:太陽を隠す(5)

「今日は黒川浩二の結婚式だ!」誰かが答え、一瞬の間を置いて思わず呪いの言葉を吐いた。「くそっ、村上家の人々を招待できるなんて、マジでやべえな!」

「そんなの大したことないよ。村上幸之助がどれだけ出世しても、上には兄貴がいるんだから」

「それがね、知らないでしょう!また昇進するって噂だよ。今度は村上景史より上の地位になるらしい」

「それだけじゃないよ。彼の奥さんは村上家のビジネスを取り仕切ってるだけじゃなくて、最高のハッカーでもあるんだ。悪名高いダークウェブとハッカー帝国って知ってる?彼女が一人で破壊したんだよ!」

「ハッカー」「ダークウェブ」という言葉を聞いた黒川詩織の目が一瞬で輝き、杏色の瞳には葉月葵への憧れが満ちていた。

これが彼女の憧れのアイドルだ!!!

村上幸之助は率先して黒川浩二と握手を交わした。「おめでとうございます、黒川社長。末永くお幸せに」