第432章:秘密

林清美は江頭俊樹と一緒に墨都で開催される経済交流会に参加するついでに、必ず展示会に顔を出すことにしていた。

永野明と星野雫は海外のある島に数年間定住する予定で、次に会えるのがいつになるかわからないため、出発前に彼らに会いに来たのだった。

今日、黒川浩二は伽月と臨も連れてきており、みんなで順番に抱っこをした。

伽月は外交的な性格で、誰にでも懐き、どの叔父さん叔母さんも綺麗だと、蜂蜜を塗ったような甘い言葉で褒めちぎっていた。

臨は寡黙で、礼儀正しく挨拶を済ませると黒川浩二の傍に立ち、誰にも抱っこされようとしなかった。

坂本加奈は彼らと一緒に展示会を見て回り、絵を描いた時のインスピレーションや、作品に込められた寓意について堂々と語った。

展示会が終わると、黒川浩二が皆を食事に招待した。