第452章：破廉恥

彼らの言葉の一つ一つが、まるで鋭い刃物のように佐藤薫の胸を刺し貫いていた。

彼女の美しい恋を破壊しただけでなく、尊厳も踏みにじられてしまった。

あの深い愛情と優しさは全て偽りだった。全ては彼が自分を騙し、自分を利用して彼と菊田利人の関係を隠蔽し、自分の子宮を使って子孫を残そうとしていたのだ！！

どうしてこんなに...吐き気がするほど酷いことができるの！！！

佐藤薫はもう聞いていられなかった。見ていられなかった。目を閉じ、涙を流すままにした。

目を開けた時、涙に濡れた瞳は冷たさと憎しみに満ちていた！

彼女は一蹴でドアを蹴り開けた。

部屋の中の角田春樹と菊田利人は驚いて、ドアの前に立つ佐藤薫を見た途端、二人の表情は一変し、目には恐怖と不安が満ちていた。

「蘭...」角田春樹は慌てて布団を掴み、自分と菊田利人を覆い隠そうとして、何か言い訳しようとした。

「そんな風に呼ばないで」佐藤薫は冷たく彼の言葉を遮った。「あなたたち本当に吐き気がする」

そう言って立ち去ろうとした。

角田春樹は急いでバスローブを羽織り、ドアまで追いかけてきた。「佐藤薫、俺が吐き気がするって？お前こそどうなんだ？」

「お前だって他の男と寝たじゃないか。俺が何も知らないと思ってるのか！」

偽りの仮面が剥がれ落ち、優しさも紳士的な態度も消え失せ、残ったのは醜い顔と黒く染まった魂だけだった。

佐藤薫は振り向き、手を振り上げて思い切り彼の頬を打った。

その音は部屋中に響き渡った。

角田春樹の頬は横を向いたまま、唾を吐き、佐藤薫を見る目は鬼のように険しかった。

「そんなに怒ることないだろう！坂本真理子じゃ満足できなかったのか！坂本真理子がダメなら、他の男を紹介してやるよ。どんなタイプが好みだ？」

「恥知らず！」佐藤薫は怒りで体が震えた。

自分が好きだった男がこんな人間だったなんて信じられない。もう少しで...

もう少しでこんな畜生と結婚するところだった！

坂本真理子は壁に寄りかかりながら、薄い唇に邪悪な笑みを浮かべた。「クソ女は見慣れてるが、お前ほどのは初めてだな」

角田春樹は坂本真理子の声を聞いて一瞬驚いたが、彼を見つけるとすぐに落ち着きを取り戻した。

「坂本副社長、私の女は楽しめましたか？」