第522章：「さすが俺の好きな女だ、イケてる！」

「この売女が！！」

角田春樹は彼女の言葉に刺激され、目が赤く腫れ、目から火が噴き出しそうになり、手を上げて彼女の頬を平手打ちしようとした。

佐藤薫はバッグを持った手で防ごうとしたが、誰かがより素早く動き、直接角田春樹の手首を掴んだ。

彼女が横を向くと、怒り狂った表情の坂本真理子が見えた。顎のラインが引き締まり、目には殺気が満ちていた。

角田春樹も坂本真理子が突然現れるとは思わず、罵倒しようとした矢先。

坂本真理子は強く彼の頬を殴りつけた。

「てめえ何様のつもりだ、彼女に手を出すなんて！！」

先ほど佐藤薫を、自分の好きな女性を殴ろうとしたことを思い出し、坂本真理子は怒りで頭が真っ白になり、殺してやりたいほどだった！！

角田春樹は体格がよく見えたが、中身は空っぽで、一発で地面に倒れ込み、血の混じった痰を吐いた。

坂本真理子がさらに殴りかかろうとすると、佐藤薫に止められた。

「こんな奴のために手を汚す必要はないわ。行きましょう」

佐藤薫は彼が人前で暴力を振るうのを望まず、事が大きくなれば彼にも良くないと思った。

坂本真理子は険しい目つきで角田春樹を睨みつけ、歯を食いしばって警告した。「彼女に近づくなよ。さもないと、お前が生まれてきたことを後悔させてやる」

佐藤薫は彼の腕を引っ張って群衆から抜け出そうとした。

しかし、角田春樹は死に物狂いで、よろよろと立ち上がり、「てめえが何様だ！彼女が俺の彼女だった時から、お前は彼女を狙ってた...俺たちが別れるや否や急いで一緒になりやがって、俺の使い古しが好みなのか？」

坂本真理子は激怒し、佐藤薫の手を振り払い、振り返って角田春樹の襟首を掴み、鉄槌のような拳を次々と彼の顔面に叩き込んだ。

角田春樹は全く抵抗できず、顔中を腫れ上がらせ、鼻血を垂れ流すまで殴られ続けた...

佐藤薫は群衆の中で動画を撮影している人々を見つけ、彼を止めようとした。「やめて、坂本真理子、もう殴らないで...」

坂本真理子は既に理性を失っており、佐藤薫の言葉は全く耳に入らなかった。

ただ彼女を傷つけたくないので、脇に寄るよう促し、角田春樹への暴行を続けた。

群衆は騒然とし、現場は混乱の極みとなり、最後は巡回中の補助警察官が来て、群衆を解散させ、病院に送るべき者は病院へ、署に連行すべき者は署へと処置した。