ジェスリンは部屋に戻り、ベッドに座って自分のことを考えていた。最愛のお爺さまが亡くなったなんて、まだ信じられなかった。涙を流しながら、ゆっくりと潤んだ目を閉じた。
あまりにも辛い。火葬される前に遺体に会うことができなかった。遺灰を見ることもできず、最も辛いのは、お別れを言えなかったこと、葬儀に参列できなかったことだった。
それが、前に進めない理由なのかもしれない。これまで、自分の悲しみについて考える...この静かな場所がなかった。
刑務所には、彼女が嘆き悲しむのを見たくない冷たい友人が2人いた。今はようやく一人になれたのだから、泣いてもいいよね?
「お爺さま」彼女の唇が震えた。痛い...その名を呼ぶだけで、とても痛かった。
「会いたい...」彼女はこれまでにないほど激しく泣き崩れた。
ジェスリンは母が亡くなった時、このような感情を抱かなかった。それは2年間の昏睡状態から目覚めた後だったからだ。数週間は泣いていたものの、今感じているような痛みは感じなかった。
母のアリスは、愛していると言葉で伝えるのではなく、行動でジェスリンがどれだけ大切な存在かを示すタイプの強い女性だった。
アリスは、ジェスリンが土遊びをしたり、スリッパを間違えて履いたりすると眉をひそめるタイプだった。
娘に自分で戦わせるのではなく、娘のために戦うことを好むタイプだった。
ジェスリンに人生の良い面だけを見せ、世の中の邪悪さから徹底的に守ろうとした。それが、アリスがジェスリンとリーのおじいちゃんの面会を長い間許さなかった理由だった。
一方、リーのおじいちゃんは、ジェスリンを土遊びから引き離すのではなく、一緒に遊ぶタイプのおじいさまだった。
ジェスリンが靴を間違えて履くと、彼女を喜ばせるために自分も同じように履くような、そんな老人だった。
リーのおじいちゃんは、ジェスリンの代わりに戦うのではなく、自分で戦わせるタイプだった。横で笛を吹いて応援するのだった。
世界は海のようなものだと教えてくれた。美しく素晴らしい生き物がいる一方で、その中に飛び込めば最も危険な場所になると。