マーベリックの部屋の中…
いつものように、ベッドの横のランプが部屋の一部を薄暗く照らしている以外は、部屋に変わりはなかった。
薄暗いとはいえ、ベッドの周りで行われている行為を見るには十分な明るさだった。
ベッドの端に横たわり、ランプの光を頼りに本を読んでいたマーベリックは、ドアベルの音を聞いた。引き出しの上の目覚まし時計を見た。それは、レックスが任務に出る前に持ってきたものだった。
マーベリックはランプの近くにあるリモコンを手に取り、本から目を離さずに、ドアに向かって手を伸ばしてボタンを押した。
ドアが開くと、ジェスリンが入ってきた。
「10分遅い」と彼は無関心に言った。その声には威圧感があったが、彼女を怖がらせるほどではなかった。
ジェスリンは彼の方へ歩きながら答えた。「ヴァレンを一人にできなくて」
マーベリックは少し沈黙した後、尋ねた。「経験はあるのか、それとも初めてか?」
ジェスリンは読書中の男を呆然と見つめ、彼が自分に話しかけているのか、それとも本を音読しているのか理解できなかった。
「ん?ジェスリン?」マーベリックは本を下ろし、白猫のプリントが入った桃色のパジャマを着て、ベッドの足元に立っている繊細な美女を見た。
ボタンダウンのパジャマは、パンツと襟付きの半袖シャツのセットだった。
「え?私に話しかけてたの?」ジェスリンは少し疑わしげに尋ねた。
マーベリックは本を表紙を下にして引き出しの上に置き、ベッドから降りた。上半身は裸だった。
ジェスリンは彼の体に目を見開いた。セレブは体が良いと言うが、彼女の夫の体は規格外だった。
もし以前疑問に思っていたなら、今や彼女は完全に、自分が結婚した男は人間ではないと確信した。彼は罪そのもの…悪魔と呼ぶべき存在だった。
彼の魅力は常に邪悪さを漂わせる支配的な雰囲気に包まれていたが、今彼女に向かって歩いてくる男は別の生き物だった。支配的な男の雰囲気は依然としてあったが、もはや邪悪さではなく、誘惑を漂わせていた!
片手を黒いズボンのポケットに入れ、もう片方の手は何もせずに、彼はジェスリンの前に立った。