第87章 佐藤翔太は腹黒い!

数人の看護師がこの言葉を聞いて、白い目を向けた。「あなた誰?監視カメラの映像は勝手に見られるものじゃないでしょう?」

山村治郎は自分の身分を明かそうとした。佐藤家の事業なら、誰もが彼を山村社長として知っているはずだ。

病室の老人がまた大声を出し始めた。山村治郎は急いで病室に戻ると、老人が尋ねるのを聞いた。「調べたのか?あの若い娘は結婚してるのか?お前はまだ独身だろう?考えてみたんだが、二人を引き合わせてもいいと思うんだが...」

山村治郎はすぐに監視カメラを調べる考えを捨て、「調べられません。海浜市にはこんなに多くの人がいて、大海の中から探すようなものです」と直接答えた。

老人は彼を睨みつけた。「この不孝者め。15歳で海外に行ってから、25歳になってやっと戻ってきて、それからすぐに佐藤家の当主についていって、うちの山村家の事業なんて放っぽりだして。私がこんな年になっても、自分で会社を管理しなきゃならないんだぞ...」