第93章 病状が悪化

放課後、沢井恭子は佐藤翔太を連れて佐藤家へ向かった。

仕方がない、佐藤翔太がどうしてもここで夕食を食べたがったのだ。

やっと取り戻した息子のことを、沢井恭子は罪悪感を抱きながらも、その要求を断ることができなかった。

ただ、小さな子が帰ってくるなり、二階へ行って佐藤和利を探し出し、二人で何かをこそこそと話し合い、大人たちには聞かせないようにしていた。

しばらくすると、佐藤和利が走ってきて、「おばあちゃん、僕も学校に行きたい!翔太と同じ学校に!」

今日、佐藤翔太は休んでいた期間を経て初めて学校に行き、古市奈江子先生が最近園長にいじめられているという話を聞いた。翔太は最初、お父さんに話して対処してもらおうと思ったが、考え直して佐藤和利に話すことにした。結局、古市奈江子は和利の先生なのだから。