第110章 痩せた痩せた！

山崎武弘は白井桜子が痩せることはないと確信していた。

彼女の病気は空腹になればなるほど太るというものだった。以前、彼女はあらゆるダイエット方法を試してきた。自分に対してかなり厳しく、一度は三日間何も食べず、足がふらつくほどだったが、それでも痩せなかった。

彼は嘲笑い、部屋の体重計を取り出して白井桜子に言った。「乗ってみろよ、計ってみろ...」

白井桜子はその体重計を恐れていた。

過去5年間、もがけばもがくほど太り、その体重計は彼女の体型が崩れてしまったことを容赦なく突きつけるものだった。

彼女は乗る勇気が出なかった...

しかし山崎武弘は彼女に諦めさせようと、彼女の腕を掴んで強引に乗せた！

「体重を見てみろよ、変化があるのか？もう言っただろう、諦めろって。それに、お前が太っていても俺は気にしないって言っただろう...」

山崎武弘が白井桜子を支配していたのは、最初は甘い言葉だった。しかし何年もの精神的虐待で、白井桜子は彼なしでは生きていけないと信じ込まされていたため、今では以前ほど言葉遣いに気を使わなくなっていた。

皮肉な言葉が時々口をついて出て、白井桜子の心を傷つけたが、彼女は抵抗することもできなかった。

そうだ、山崎家の義母は彼女を嫌っていたが、夫は毎回彼女を庇ってくれた。義妹の山崎夏枝は外では彼女をいじめたが、家では彼女を守ってくれた。義母が夫に離婚を勧めた時も、義妹が彼女のために良い言葉をかけてくれているのを何度か聞いたことがある...

彼女は諦めたように体重計を見つめ、少し詰まった声で言った。「もうダイエットはしません...」

その言葉が終わるか終わらないかのうちに、体重計の表示を見て、彼女は驚愕した。

彼女は信じられない様子で山崎武弘を見た。「あなた、見て...私、2.5キロ痩せました！」

彼女の体重は不思議なことに、100キロで安定していて、上下の変動は1キロ以内だった。以前痩せた時も最大で99キロだったのに、今日は初めて97.5キロになった？

2.5キロ！

これはどういうことなの？！

白井桜子は昨夜体内に灼熱感があり、夜中にトイレに二回行ったことを思い出した...もしかして、あのダイエット薬は本当に効果があったの？

山崎武弘は体重計の数字を見て、少し戸惑った様子を見せた。

彼の目に驚きの色が浮かんだ。