第120章 救済

白井桜子は佐藤澄夫に手を引かれて座った時、心の中は衝撃と感動でいっぱいでした。

彼女は佐藤澄夫のことが好きでした。

中学生の頃から好きでした。彼があまりにも輝いていたからです。

佐藤澄夫の外見は一流で、芸能人よりもかっこよかったのです。中学生の男子は成長期で、体つきは少し細かったですが、彼女は常に彼のことを見守っていました。

また、佐藤澄夫がエレベーターに乗る時はいつも緊張していることにも気づきました。

彼は平然としているように見えましたが、後に白井桜子はそれが閉所恐怖症だと分かりました。

彼女は覚えています。ある時、学校で夜会があり、佐藤澄夫は見ている途中で寝てしまい、夜会が終わって皆が帰った後も、

佐藤澄夫は姿を現しませんでした。

その時、彼女は佐藤澄夫が講堂に閉じ込められているのではないかと疑いました。だって彼が寝ているのを見たのですから。