第123章 クライマックス!口パクの証拠!!

二人が話を終えると、沢井恭子は立ち去り、佐藤澄夫はドアをノックした。すぐにドアが開いた。

白井桜子は俯いて、山崎夏枝と一緒に出てきた。山崎夏枝は佐藤澄夫を見つけると、目を輝かせた。「佐藤さん?」

「はい」佐藤澄夫は花を山崎夏枝に渡した。「今日はお見舞いに来ました」

「ありがとうございます~」山崎夏枝は甘く微笑んで、花を何気なく白井桜子の手に渡し、持っていてくれるように頼んだ。

白井桜子は慌てて受け取った。

彼女の心は見えない手で掴まれたかのように、鈍く痛んだ。

彼女は手の中のユリの花を見つめた。

実は彼女はユリの花が大好きで、高校時代に佐藤澄夫が彼女を追いかけていた時、たくさんのユリの花を贈ってくれた。

でも当時、佐藤澄夫は次々と彼女を変えていたので、彼女は承諾する勇気がなかった。