第196話 手のひら返し!!

菜恵子は信じられない様子でLINEのメッセージを見つめ、最初の反応はこれがデマだと思った。

彼女はウェイトレスの仕事も放り出して、すぐに配信ルームを開いた。

配信ルームの中は既に混乱状態に陥っていた。

ベッドの上の山崎夏枝は目を覚ましたばかりのようで、大量に血を吐き出していて、シーツは真っ赤になっていた。

山崎の母は今しがた駆け込んできたようで、今は床に倒れており、画面からは呼吸が止まっているのが分かった。コメント欄は沸騰していた!

——何が起きたの?なぜこんなことに?誰か説明してくれる姉妹いない?今メッセージを見て入ってきた人は頭が真っ白!

——上の人へ、2分前に山崎の母が突然血を吐きながら入ってきて、そのまま床に倒れたの。山崎の母が山崎夏枝を起こして、彼女が起き上がって叫ぼうとした時に、大量に血を吐き始めたの!

——感染症、本当に感染症なの!山崎夏枝だけが病気なら偶然かもしれないけど、今は山崎の母も一緒で、しかも二人とも症状が似てる!

——山崎の母は亡くなったの?

——専門医が配信を見ていて、山崎の母は失血が多すぎて助からないと言っています。山崎夏枝はまだ助かる可能性があり、既に警察に通報しました。今警察が向かっています。

——ああああ!!

——怖すぎる!この病気の進行があまりにも早すぎる!

——解熱丸、早く解熱丸を飲んで!!

——もうこんなに重症なら、解熱丸も効果ないでしょう?

——救急車はまだ来ないの?

——彼らの家は郊外の別荘地で、病院から遠いから、そう早くは着かないよ。

……

……

その時、山崎家。

山崎夏枝は頭がくらくらし、口の中は鉄錆のような味がして吐き続けていた。彼女はシーツの血を見て、そして床に倒れている山崎の母を見て、目の前が金色に光るのを感じた。

病気になった。

本当に感染症だった!

この考えが彼女を助けを求めようとさせたが、どうしても言葉が出てこなかった。肺が灼熱のように痛み、彼女は最後には絶望的にベッドに横たわった。

突然、彼女は解熱丸を思い出した……

それはスタッフが彼女に渡した解熱丸で、病気を治せると言っていた。

彼女は急いでベッドから這い出した。