第207章 夫婦の共闘

佐藤大輝は外に出ると、すぐに車に乗り込んだ。「出発しよう」

剛士は運転席に座り、躊躇いながら尋ねた。「沢井さんを待たなくていいんですか?」

彼は先ほど沢井さんも外に出てくるのを見かけたのだ。

佐藤大輝が顎を引き締めたその時、エンジン音が響き、振り向くと沢井恭子が誰のものか分からないバイクに乗り、ヘルメットも被らずに急いで飛び出していくのが見えた。

彼女は青いドレスの横を真っ直ぐに裂き、白く細い美脚を露わにした。バイクが猛スピードで走り出すと、青いドレスが風になびき、野性的な美しさを醸し出していた。

「……」剛士は黙って車を発進させ、沢井恭子の後を追った。

海浜市の街は渋滞も少なく、沢井恭子のバイクがどんなに速くても剛士は追いつくことができた。彼らはほぼ同時に沢井家の別荘に到着した。