第225章 私は外で待っている

佐藤百合子の言葉を、佐藤大輝はもう聞こえていなかった。

彼の世界は突然無音になったかのようだった。

彼の注意は全てその金色のマスクに向けられていた。

五一八号室は彼女だった!本当に彼女だったのだ!!

彼女は死んでいなかった……まだ生きていた!

しかし五一八号室の遺体の残骸は彼が実際に見ていた……

それに、彼は五一八号室がマスクを外した姿を見たことはなかったが、五一八号室は彼の素顔を知っていた……

一体これは全て、どういうことなのか?

佐藤大輝は震える手で、佐藤百合子の顔からマスクを外した。

あの爆発の後、彼はこのマスクを探すことすらしなかった。このような素材のマスクは爆発の高温に耐えられるはずがなく、必ず溶けてしまうと思っていたからだ。

しかし、そうではなかった。