第214話 判明した!

沢井恭子は車を運転して、井上英子を高級マンションまで送った。

ここのセキュリティは厳重で、所有者の許可なしには誰も入れない。

沢井恭子は来る時に不動産権利証を持ってきており、そこには井上英子の名前が書かれていた。一行は不動産権利証を持って、管理事務所で井上英子の情報を登録した後、やっと地下駐車場に入ることができた。

彼女と井上英子はそれぞれ生活用品を抱え、三人の子供たちは後ろをぴょんぴょん跳ねながらついてきた。

みんなで一緒にエレベーターに乗った。

部屋に着くと、沢井恭子はキャッシュカードを取り出して井上英子に渡した。「暗証番号はあなたの誕生日よ。」

井上英子はそのキャッシュカードを見下ろし、沢井恭子に押し返した。「要りません。私のお金で十分です。」

実は拘置所にいた時も、彼女は自分のキャッシュカードを持っていて、沢井恭子は定期的にお金を入れてくれていたが、拘置所の中では、お金があっても使う場所がなかった。