第213章 彼女の過去!!

浦和映画村は、前方の交差点を右折したところにあるはずだ。

この時間帯は朝のラッシュで、道路は車で混雑していたが、剛士は追跡に慣れていて、沢井さんの車の後ろにぴったりとついて、速度を落とさずに走っていた。

彼らを止めるには、カーブで加速して追い越す必要があった。

剛士はアクセルを踏み込み、車は一気に右折レーンに入った。

交差点に着くと急ブレーキをかけて停車した。これで沢井さんの車が右折してきたら、必ず後ろで停止しなければならない。そうしないと交通違反になるからだ。

剛士は停車後、自分の作戦が上手くいったと得意げに思った。

バックミラーを通して後ろを見たが...後ろについていた車は沢井さんの車ではなかった!

その車の運転手はクラクションを鳴らし続け、おそらく右折なのになぜ停車するのかと文句を言っているのだろう...