景山誠は今、いつもの人生を楽しむような態度はなく、表情こそないものの、眉目に気品が漂っていた。
桃色の瞳には冷たさが満ちていた。
彼は白井隆司を一瞥した。たった一瞥だけで、白井隆司は強大な圧力を感じた。
景山誠は視線を戻し、落ち着いて中に入り、ソファに座った。
白井剛志はベッドから起き上がろうともがいた。
景山誠は手を上げて制した。「このまま話せばいい。そんなに気を遣う必要はない」
白井剛志は動きを止め、半身を起こしたまま、恭しく「はい」と答えた。
景山誠は目を上げて彼を見た。
上がった目尻が魂を奪うような魅力を放っていたが、白井剛志は彼を一目見ることさえ恐れ、恭しく、おののいていた。
景山誠はゆっくりと、落ち着いた声で口を開いた。「何の用だ?」
白井剛志はすぐに言った。「事件が起きました」