第339章 犯人

沢井恭子は部屋を一つずつ探していた。

部屋に入るたびに、確かに何人かを驚かせていた。

女優が着替え中の部屋もあり、ドアを開けて中を一瞥した後、すぐにドアを閉めて次の部屋へと向かった。

女優は激怒し、着替えを済ませるとすぐに出てきて罵声を浴びせた!

番組スタッフの入り口には、記者たちが今夜のショーの詳細を記録しようと待ち構えていた。

白井桜子が本番直前に姿を消すという無責任な行為は、すでに今夜のトップニュースとなっており、皆が新しい報道を待ち望んでいた。

そのため、沢井恭子と佐藤澄夫が人を探しに駆け込む様子を見ると、次々と取り囲んで撮影し始め、現在の状況をネットにも投稿していた。

#白井桜子のマネージャーが現場で暴れる#、#白井桜子責任転嫁#などのタグがトレンド入りし、ネット上での非難の声はさらに大きくなった:

——自分のタレントが逃げ出したのに、番組制作側に責任を押し付ける?

——本当に厚かましい!人を探すと言って押し入るなんて、番組制作側を全く眼中に入れていない。

——これは違法行為だ!

……

人々の騒ぎの中、佐藤澄夫が本当に人を抱えて出てきたのだ!

佐藤澄夫の心は喉元まで上がっていた。

白井桜子が見当たらないと知ってからすぐに駆けつけ、最悪の事態にならないことを願い続けていた。

番組スタジオに到着後、まず建物の構造を把握し、見落としがないよう密室の可能性も考慮した。

梁上君子として、彼はこの手の事には長けていた。

しかし、様々な密室を想定したものの、一階の最東側の部屋で白井桜子を見つけることになるとは思いもよらなかった。

一つ一つの部屋を確認する時間がなかったため、各部屋を通り過ぎる際にガラス越しに中を覗き、人がいなければ次へ進んでいた。

最東側の部屋に来たとき、窓が開いていて、ボロボロのカーテンが風に揺れているのが見えた。部屋の中は空っぽだった。

彼はその時、もう少しで通り過ぎるところだった。

しかし、なぜか足を止め、ドアを蹴り開けた。すると、入り口で倒れている白井桜子を発見したのだ!

彼女は体を丸めて、意識を失っていた。

白いシルクのロングドレスを着ていた彼女は、美しい顔とまつ毛に霜が降りたように白く、唇は紫色に凍え、顔全体が血の気を失っていた。

その光景は、佐藤澄夫の心臓を激しく打ち付けた!