沢井恭子は電話に出た。「もしもし、師匠、分かりましたか?」
「……そんなに早くわかるわけないだろう!それに、あなたの写真は二十歳の時のもので、計算すると今は八十歳。探すのは確実に難しいだろう。でも、どこかで見たことがあるような気がするんだが、今すぐには思い出せないんだ」
「ちっ、おじいさん、じゃあなんで電話してきたの?」
「お前の態度の変わり方が早いな、へへ!」相手は皮肉っぽく言った後、「実はキングオブファイターズが始まったんだ。本田家が主催してるだろう。お前はもうすぐ京都に来て私の誕生日を祝うんだから、ついでに数日滞在して、ゲスト審査員でもやって、面目を保ってくれないか」
キングオブファイターズは最初、実はあまり人気がなかった。
本田家は武術を練習するところだから、この種の格闘技の試合は、海外でより人気があった。