第361章 小師叔がいてくれたらなぁ!_2

玄関に着くと、彼女はドアをノックした。三回強く、一回軽く。

中からすぐに開き、沢井恭子が中に入ると、大師兄がソファに座って明らかに彼女を待っているのが見えた。

大師兄は今年五十歳で、沢井恭子の父親になれるほどの年齢だった。

みんなは小師叔と大師叔が宗主の座を争っていると言うが、実際大師兄はそんなことを気にしていなかった。師匠がすでに決めていたからだ!

たとえ沢井恭子が宗主になっても、今後の門内の事務は全て大師兄が取り仕切り、彼女は名前だけを掲げるだけだった。

二人の関係は良好だった!

大師兄は呆れたように彼女を見つめた。「さっきなぜ私に会いに来なかったの?」

沢井恭子は鼻をこすった。「人が多すぎたから」

大師兄は彼女の前で父親のような威厳を持ち、とても正直な人物だったが、彼女に対して甘い部分があった。「まったく!サボりたいだけでしょう!それならいいわ。今年のボクシング大会の件も、あなたは関わらなくていいわ」

沢井恭子は目を輝かせた。「そんなにいいの?」

次の瞬間、大師兄が言った。「残念ね。田中さんが京都に来ているという情報を得て、やっと彼のメールアドレスを見つけたところだったのに。本来なら彼を招待してもらおうと思っていたけど、あなたが関わらないなら仕方ないわね」

沢井恭子:?

ボクシングは海外でより盛んだった。

沢井恭子が国内でボクシングを始めたのは、その年に海外のチャンピオンが華国人だったからだ!このことが彼女にボクシングの面白さを感じさせた。

そして彼女はずっと田中さんと実力を競いたいと思っていた!

沢井恭子は突然前に出た。「本当?早く、彼のメールアドレスを教えて!」

「誰かさんは関わりたくないって言ったじゃない?」大師兄はからかうように言った。

沢井恭子は大師兄の優しい性格を知り尽くしていた。そのまま外に向かって歩きながら言った。「メールアドレスをWeChatで送って。ありがとう、大師兄!」

言い終わると、まるで大師兄が他の仕事を任せることを恐れるかのように、すぐに走り去った。

大師兄:「……」

沢井恭子が出てしばらくすると、案の定WeChatで大師兄からメールアドレスが送られてきた。相手のメールアドレスは覚えやすく、ドメイン以外はcccだけだった。

その人のイニシャルがcccなのだろう!田中さんの名前は何だろう?