第364章 痛快な反撃!

横山は観衆の歓声の中で、顔の肉が震え、体内の熱血が活性化されたようだった。

彼は自分が持ち上げたこの男が沢井さんの怒りを買ったことを知っていた。沢井さんは、相手を重傷にすれば大金を与えると約束していた。

試合場では規則があり、手加減をするのが基本だった。

今のような状況では、横山が彼を軽く投げ下ろし、下の人々が受け止めれば、横山の勝利とみなされるはずだった。

しかし横山は全力を込めて、佐藤澄夫を激しく叩きつけようとした。死なないまでも重傷を負わせるつもりだった!

リング下で、沢井悟志と横山が目を合わせた後、笑いながら言った:「沢井さん、これから起こることをしっかり見ていた方がいいですよ!」

その言葉が終わるや否や、横山は力を蓄え、リング下の空いた場所に向かって佐藤澄夫を激しく投げ飛ばそうとした!

しかし力を込めた瞬間、もはや抵抗する力がないように見えた佐藤澄夫が、突然片手で彼の腕を掴み、もう片方の手で彼の右肩に強烈な一撃を加えた!

この一撃には、佐藤澄夫の全ての力が込められていた。

そして彼は横山の投げる力を利用して空中で一回転し、リング周りのロープを蹴って再び横山に向かっていった!

「バン!」

さらに一発が横山の右腕に命中した。

横山は怒り狂い、腕を上げて殴ろうとしたが、突然「バキッ」という音とともに、彼の右腕がリング上で脱臼した!

横山はもともと右拳で反撃しようとしていたが、腕が脱臼してしまい、上げることができず、左腕も反応が遅かった。

このわずかな隙を突いて、佐藤澄夫は両手を上げ、彼の頬に向かって激しく打ち込んだ!

ボクシンググローブの加重により、彼の一撃一撃が全力で、まるで千斤の重さで横山を連続して後退させ、左腕で左側を守れば右側を打たれ、右側を守れば左側を打たれた。

打たれながらも反撃しようとしたが、左腕を外すと佐藤澄夫は左右から攻撃!

横山は連続して後退を強いられ、ついにバウンダリーラインまで追い詰められた。

佐藤澄夫はそれを見て、唇の端を上げ、残りの力を全て込めて彼に向かって蹴りを放った!

「バン!」

横山はリングから真っ逆さまに落ちた!

観衆:!!

会場の観客全員が呆然としたが、すぐに熱烈な拍手が沸き起こった。

この場所では、強者が王となる!