第367章 沢井社長、大変です!

沢井恭子は佐藤大輝の電話での声がよく聞き取れなかった。というのも、彼女の携帯電話もちょうどその時に着信音が鳴り、画面を見ると中島誠司からのメッセージだった:【部長、あなたが注意するように言った海外の原材料の件ですが、今日彼らに問題が発生しました!】

前回、佐藤大輝に原材料は必ず売れると伝えて以来、沢井恭子は中島誠司に人を手配させ、海外で彼らの組織を監視させていた。

今、情報が届いたのだ。

こちらの人間が手がかりを見つけると、すぐに情報を送り返してきた。

でも沢井家はまだ気づいていないはずだ!

沢井恭子が携帯を下ろすと、ちょうど佐藤大輝が電話を切るところで、二人が目を合わせた後、佐藤大輝が突然尋ねた:「上階で少し話でもしませんか?」

沢井恭子はどうせ悠々自適な生活を送っているし、帰っても特にすることもない。せっかく来たのだから……

彼女は頷いた。

そして、二人が車を降り、佐藤グループビルに入ると、受付の社員たちが一斉に背筋を伸ばし、敬意と憧れの眼差しを向けるのが見えた。

しかし、その人々は沢井恭子を見ると、一人一人の八卦魂が一気に燃え上がった。

佐藤大輝が沢井恭子とエレベーターに乗り込んだ後、受付の女性は携帯を取り出し、社内グループに投稿した:【佐藤社長が今日、美女を連れてきました!!!!!!】

佐藤社長は会社でも有名な独身貴族だった。

佐藤グループの社員の大半は海浜市から付いてきた人々で、残りは京都に来てから採用した人材だった。普段の佐藤大輝は冷酷無情で、誰も近づく勇気がなかった。

しかし、佐藤社長に婚約者がいるのかどうか、なぜ子供が三人もいるのに婚約者とまだ結婚していないのか、婚約者のことが好きではないのかなど、様々な憶測が飛び交っていた。

今日、佐藤大輝が人を会社に連れてきたことで、会社中が一気に騒然となった!

みんな次々と尋ねた:

——どう?きれい?

受付の女性:【芸能人よりもきれい!!】

彼女は先ほど間近で観察したのだ!

その女性は肌が雪のように白く、顔立ちが秀麗で、キャメル色のコートを着ていた。カジュアルなデザインだったが、彼女が着ると特別に品格があった。