第368章 時は移りゆく

部長が大声を上げ、二人の沢井社長を驚かせた。

沢井中は現在、対外的には沢井康正の後継者という立場であり、沢井茂よりも会社での権威があった。その言葉を聞いて、すぐに怒鳴った。「何事だ、そんなに慌てて、体裁が悪い!」

沢井茂は常に徳を以て人を導くタイプで、落ち着いて部長を見た。「兄さん、部長も来たことだし、佐藤グループの原材料の購入価格について相談してみませんか?部長、五割引きが最低ラインですよね?長年、海外から原材料を仕入れてきた経験から、原価はご存知のはずですが……」

沢井中は冷笑して言った。「五割?弟よ、まだ分かっていないようだな。一割で買えるのも、沢井家が面子を立ててやっているんだ。奴らは私の娘の足を折ったんだぞ。佐藤グループを京都に居させると思うのか?」

沢井茂は諭すように言った。「兄さん、大局を見てください……」

沢井中は「お前の娘の足じゃないから、気にならないんだろう!とにかく言っておくが、この恨みを晴らさない限り、佐藤家の原材料は買わない!」

そう言って部長を見た。「私のサインがなければ、購買部がこの支出を出せるかどうか見てみろ!」

購買部長は「……」

二人の沢井社長の言い争いを聞いて、彼は少し呆れていた。

今は買うか買わないかの問題ではない。今は相手が売るか売らないかの問題なのだ!

彼は急いで言った。「両社長、もう争うのはやめてください!海外の原材料が環境温暖化の影響で問題が発生し、もう使えなくなりました!先ほど電話があり、二ヶ月間は一時的にこの原材料を提供できないとのことです!」

「何だって?!」

沢井中は突然立ち上がり、信じられない様子で部長を見た。「どうして二ヶ月も提供できないんだ?調整したとしても、せいぜい半月で新しいロットを培養できるはずだろう?」

部長は額の汗を拭いながら「社長、先方は自国への供給を優先し、その後で我々に供給するとのことです……」

この特殊医薬品原材料の培養技術は、ずっと海外に独占されてきた。

長年、華国に対して非常に警戒的だった。

沢井康正が当時直接海外に行き、F国の企業と協力関係を結んだのだが、それでも相手は彼らを極度に警戒し、技術を盗まれることを恐れていた。