第368章 時は移りゆく

部長が大声を上げ、二人の沢井社長を驚かせた。

沢井中は現在、対外的には沢井康正の後継者という立場であり、沢井茂よりも会社での権威があった。その言葉を聞いて、すぐに怒鳴った。「何事だ、そんなに慌てて、体裁が悪い!」

沢井茂は常に徳を以て人を導くタイプで、落ち着いて部長を見た。「兄さん、部長も来たことだし、佐藤グループの原材料の購入価格について相談してみませんか?部長、五割引きが最低ラインですよね?長年、海外から原材料を仕入れてきた経験から、原価はご存知のはずですが……」

沢井中は冷笑して言った。「五割?弟よ、まだ分かっていないようだな。一割で買えるのも、沢井家が面子を立ててやっているんだ。奴らは私の娘の足を折ったんだぞ。佐藤グループを京都に居させると思うのか?」